KPIダッシュボードとは何か?6つのメリットとベストプラクティスの例
ビジネス全体の目標から長期的な目標まで、すべての組織にトラッキングが必要な指標が存在します。これらのインサイトを効果的に伝える方法のひとつとして、KPIダッシュボードがあります。
KPIダッシュボードは、経営幹部が戦略的目標の管理を改善し、ハイレベルな視点でパフォーマンスの変化や課題、傾向を常に最新の状態で把握するための優れた方法であり、他の最新のアナリティクスツールと同様に、適切に使用された場合には有効性を発揮する多数のアプリケーションを備えています。
今回のブログでは、今日の組織においてKPIダッシュボードが果たす役割、ビジネス上のメリット、ユーザーがこれを最大限に活用できるようにするためのベストプラクティスについて紹介します。
目次
KPIダッシュボードの使用目的は?
簡単に言うと、KPIダッシュボードは、目標に対する進捗を測定するための最も簡単な方法のひとつです。
KPIダッシュボードは基本的に、コアビジネスの目標、または部門目標のようなより具体的な成果に対するハイレベルで視覚的な概要として機能し、設定された目標に対する全般的な進捗状況をより効率的にトラッキングし、潜在的な傾向を分析して、一般的により多くの情報に基づいたデータドリブンな意思決定を行うために、一目で使用および確認をすることができます。
グラフや表のサポートにより、KPIダッシュボードを使用することで、数字の背後にある詳細を比較し、理解することもできます。基幹業務に携わる多くのユーザーは、スプレッドシートの数値を閲覧するだけでは、簡単にインサイトを引き出すことはできないでしょう。インタラクティブなデータビジュアライゼーションを備えることで、組織全体のパフォーマンスを評価する新しい手段を得ることができます。
最も重要なことは、KPIダッシュボードは、すべての値に対する詳細を提供するのではなく、パフォーマンスに対する有用でハイレベルな視点のインサイトを提供することです。これは、ユーザーにすべての答えを提供するわけではありませんが、ビジネスのどの領域で詳細な、または追加の分析が必要かを判断するための促進剤として機能します。
KPIダッシュボードには何が含まれているのか?
すべてのアナリティクスプラットフォームがそれぞれに異なりますが、一般的に最新のKPIダッシュボードは、コンバージョン率、収益成長率、チャーン率、予算閾値、純利益、シェア・オブ・ボイス(SOV)など、様々なデータビジュアライゼーションおよびKPIカテゴリーを利用することができます。
最適なソリューションにより、部門を担当するリーダーやアカウントを扱うプロジェクトマネージャーなど、各ユーザーの要件に合わせて明確なダッシュボードを構築し、関連性に基づき可視化されたKPIを強調して表示することができます。
例えば、Yellowfinのインタラクティブなダッシュボードギャラリーで確認することができるKPIダッシュボードのベストプラクティスの例では、KPI、製品、店舗の場所にわたる酒類販売の前年比の売上概要が示されています。こちらのダッシュボードでは、以下を実現することができます。
- 累計売上など、主要なKPIカテゴリー全体にわたる最新で更新された数字の確認
- KPIカテゴリーにフィルターを適用して掘り下げ、様々な視点を表示
- 包括的な製品カテゴリーから特定の種類のウィスキーなど、特定のデータ階層内を掘り下げ、データセット内の詳細をドリルダウン
- 累計売上>総売上量>ブランド別売上>ブランド自体の売上など、より詳細な情報を表示するために、選択したセグメントにリンクされた別のグラフ、またはレポートに移動する任意のKPIセグメントのデータをドリルスルー
- 各店舗地域のインタラクティブなヒートマップを特徴とする店舗マップによる売上の探索
Yellowfinのダッシュボードページから、KPIダッシュボードと製品スイート全体で実現できる実用的なインサイトのレベルをより深く確認されることを推奨します。
KPIダッシュボードの6つの主要なビジネス上のメリット
現在のユーザーは、自動ビジネスモニタリング、組み込みアナリティクス、自然言語など、高度なアナリティクスソリューションを備えることで、これらをデータ分析のサポートに使用できます。しかし、運用の事例においては、依然として統一されたKPIダッシュボードが、パフォーマンスに関連するハイレベルな視点の質問に対する答えを迅速に得るために使用できる優れたBIツールとなっています。
こちらでは、適切に使用した場合に、KPIダッシュボードがもたらす6つの主要なメリットについて紹介します。
1.詳細な掘り下げ:KPIダッシュボードは、特定のビジネス領域、またはプロジェクトの最も重要な目標を、高度にインタラクティブな方法で整理し、フィルタリングして、ドリルダウンし、分析および視覚化することができます。これにより、フィルタリングされていないデータセットを確認して回ることなく、大規模で複雑なデータを、理解しやすい形式に変換することができます。
2.大規模な変更や問題の検出:部門別、包括的な目標別、またはハイレベルな目標別にセグメント分けされているかどうかに関わらず、重要なKPIを相互に表示する整理されたダッシュボードを備えることで、ユーザーは目標に対してどの成果が達成されているか、何を優先しなくてはいけないのか、または効果的な是正措置を講じるために詳細な調査が必要かを容易かつ即座に判断することができます。
3.効率的な意思決定:KPIダッシュボードを使用することで、ビジネスの最も重要な運用データをひとつの便利な場所にまとめることができます。これにより、ビジネス内のサイロを排除し、KPIレポートを全般的にさらに可視化して、パフォーマンスの分析や、目標の設定、投資の割り当ておよびユーザーワークフローの改善における効率性を高めることができます。
4.コラボレーションの向上:KPIに対する進捗状況の概要を視覚的に表示することで、ユーザー間のより優れたコラボレーションおよびコミュニケーションを促進することができます。これは、すべてのユーザーが可視性を共有し、同じダッシュボードに迅速にアクセスすることで、パフォーマンスやチームがどこで連携して改善できるかを議論できるようになるからです。
5.リアルタイムROI分析:組織の最も重要なパフォーマンス指標をリアルタイムで監視および分析する機能を備えることで、ユーザーはどの意思決定や投資が、どの程度効果を発揮しているのかを確認することができるため、よりプロアクティブな分析が可能になり、長期的な財務成果を向上させることができます。
6.新しい機会や傾向の発見:KPIダッシュボードは、ユーザーがデータ内の識別可能なパターンを発見したり、潜在的な機会や得意分野(または業績が低い分野)を明らかにして目的を定義、または改善したり、ビジネス全体の業績を向上、および改善したりするサポートをします。
KPIダッシュボードの構築方法:ベストプラクティス
最高のKPIダッシュボードは、ダッシュボードデザインの主要な原則に従い、組織の最も重要な指標を示します(詳細はリンク先を参照してください)。以下に、簡単な概要を紹介します。
- すべての重要な目標と情報は、ユーザーの事例(部門、プロジェクトなど)に基づいたデータジャーニーを通して、彼らを導くために明確に表示
- 色、グラフィック要素、トポグラフィーの視覚的一貫性
- 重要な指標を強調するための言語(フォント、ヘッダーなど)の効果的な使用
- 適切なアクションへ導くためのインタラクティブな要素(ボタン、リンクなど)の効率的な使用
- 必要な情報だけを表示することで、ユーザーが目の前に提示されたデータを解釈して使用できるように慎重にバランスを取り、認知的過負荷を発生させない
最終的に、ユーザーがKPIダッシュボードに表示されたデータからインサイトを得られるかどうかは、その構築やデザイン、提供の方法が基本原則に従っている場合に限られます。これに従っていない場合、表示される数値に、適切な分析のための明確な意味や有用性が欠如している可能性があります。