
BIツールとは?種類や導入のメリット、選ぶポイントまで徹底解説
自社にBIの導入は必要かな
BIツールってどういうことができるんだろう
BIを導入する時に気を付けるポイントなんだろう
BIという言葉を知っていても、具体的にどういうものか説明できないという方も多いのではないでしょうか。
企業活動を行っていると日々膨大なデータが蓄積されていきます。変化が早い現代においては、その蓄積されたデータを活用したスピード感ある経営判断が必要になります。
社内に点在した様々なデータを集め分析するのは手間と時間がかかる大変な作業です。場合によっては専門家が必要でしょう。
大量のデータから必要な情報を素早く、わかりやすく取り出し、迅速な意思決定を支援するツールがBIツールです。
この記事では全世界で29000社にBIツールを提供しているYellowfinが、BIツールの概要といった基本から、どういった機能があって、どのようなメリットがあるのかまで、徹底的にBIを解説します。
BIツールとは

BIツールとは「ビジネス・インテリジェンスツール」の略で、企業活動によって日々蓄積されていくデータを収集・分析し、戦略的な意思決定を支援するツールのことです。
企業活動で蓄積されるデータは、取引先情報は名刺管理システム、営業活動は営業支援システム(SFA)、売上は基幹システム(ERP)、サポート・コールセンターは顧客管理システム(CRM)など、会社内で分散しているケースが多く、こういった情報を繋ぎ、多角的に分析することは容易ではありません。
しかし、BIツールにはこうした情報を繋ぐ機能が備わっており、知りたいことが浮かんだときに、パッとデータを集計・分析することで、意思決定のスピードを高めることが可能になります。
BIと他のシステム・ソフトウェアとの違い

BIツールと並んでよく聞く言葉にDWHやETLがあります。また、AIやエクセルでもデータ収集・分析ができるため、ここではそれらツールとの違いをまとめます。
BIとDWHの違い
DWHとは「データウェアハウス」の略で、データの倉庫という意味です。社内のさまざまなデータを活用するために、複数のシステムから取得されたデータを、最適な形式で蓄積するシステムのことです。
一方、BIツールはDWHに蓄積されたデータを集計、可視化させ、より視覚的にグラフなどにして分析できるようにするツールです。
BIとETLの違い
ETLとは「Extract ・抽出」「Transform ・変換、加工」「Load ・書き出し」の略で、複数のシステムからデータの抽出し受け渡す機能を持ったシステムのことです。
企業活動で蓄積される様々なデータを収集しDWHへ書き出す際に使用するシステムです。
BIとAIの違い
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、今は主に自然言語処理によって人間の使う言語を理解し、機械学習によって蓄積されたデータから最適な回答を返す技術として活用されています。
AIとBIどちらにもデータを分析する機能がありますが、AIは機械学習によって最適な回答を選び提示しますが、BIは蓄積されたデータから人間が必要な情報を取り出しやすいように表示・加工できます・
AIもBIも「人間が意思決定するのに必要な支援をする」立場は同じですが、AIはアルゴリズムそのものであり、ツールによってUIは様々です。
BIはよりビジネスで利用される様々なデータを横断的にに、素早くシンプルに人間が理解できるように表示をする業務支援ツールです。
BIとエクセルの違い
表計算ソフトとして今や一般的に使われているExcelでも、ピポットテーブルやVBAを使ってデータ分析ができますが、処理できるデータ量に大きな違いがあります。
また、エクセルでは異なるデータソースを統合することができないため、多角的な分析はできません。
BIツールならデータベースに直接アクセスして、大量データの抽出・結合、多角的な分析が可能になります。
ビジネスシーンにおけるBIの活用場面

企業活動で蓄積される様々なデータを使って、自社ビジネスを分析し、改善へとつなげられるBIツールは、ビジネスのさまざまな分野で活用できます。
マーケティング
過去の売上データと天候のデータを分析し、商品の販売戦略や次のキャンペーン内容を考える、集計作業にかかる時間を削減しイベント施策の振り返りのスパンを短くするといったマーケティングに活用できます。
データ分析
売上分析や顧客と商品の分析、経営分析など、企業活動に必要なデータ分析を行えます。
経営全体の見える化、KPI分析、営業プロセス分析など多方面から実施することで、データに基づく意思決定のスピードアップにつながります。
BIツールを導入するメリット・デメリット

BIツールの導入を考えているならば、メリット・デメリットの両方を知った上で検討することが大切です。ここではBIツールのメリット・デメリットを解説します。
BIツールのメリット
BIツールの最大のメリットは、専門家に頼らなくても必要なデータを分析し情報を活用できることです。
BIツールが登場する以前は、社内に点在する分析に必要なデータを抽出・集計するために専門スキルが必要でした。しかしBIツールなら、専門スキルがなくても、社内に点在するデータを1か所に集めて誰でも容易に分析できます。
また、分析結果をより見やすくする機能も備わっているため、分析結果の判断をスムーズに行えるメリットもあります。
BIツールのデメリット
BIツールのデメリットは導入が難しく、設定の手間がかかることです。
BIツールはソフトをインストールすればすぐ使えるものではありません。分析対象となるデータと連携させて初めて活用できるツールです。
社内に点在するデータを連携させる設定は、専門知識を要する場面もあるため、手間がかかります。
しかし、どのようなシステムでも初期設定の手間は発生しますし、BIの場合、設定が終わるとあとは誰でも簡単に活用できるようなUIにこだわって開発されています。
BIツールの基本機能

BIツールには様々な機能が搭載されていますが、大きく分けると次の2つの機能に分けられます。
- 分析機能
- レポーティング機能
分析機能
企業活動で得られる、売上や顧客、営業報告といった様々なデータを収集・分析し、課題解決や戦略立案に役立てることができます。
レポーティング機能
分析したデータを、よりわかりやすく可視化する機能です。
限られた時間の中でスピーディな意思決定を求められる経営層にとって、データを早く正確に把握し、意思決定までのスピードを早められます。
BIツールの種類

一口にBIツールといっても大きく4つの種類に分けらるので、その4つの種類について解説します。製品によっては複数の種類を兼ね備えているものもあります。
レポーティング
必要なデータを必要なタイミングで取り出し、経営者やマネージャーが見やすいようまとめる機能です。
問題の兆候を発見したい時に使用します。
OLAP
OLAPとは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略で、蓄積したデータをスライシング、ドリルダウン&ドリルアップしながら、分析する機能です。
問題箇所を多角的に分析していきながら根源的な原因にまで迫っていく時に使用します。
OLAP分析とは?DWHやOLTPとの違いを理解し、BIツールの活用を!
データマイニング
データマイニングとは、蓄積したデータに対し統計的な処理を行うことで、経営やマーケティングを行ううえで有効なパターンや傾向をつかむための分析機能です。
クロス分析や相関分析、回帰分析といった複雑な統計分析を行うことができます。
プランニングツール
主に経営者が「予算編成」などに使うための機能で、過去のデータをもとに「シミュレーション」を行い、その計画の根拠を得るために使用します。
BIツールを選ぶポイント

ここまでBIツールについて解説してきました。どんなツールでどういったことができるか想像ついたでしょうか。
BIツールを導入し、社内に定着させより効果的に活用するためには次の3つのポイントで選定する事が大切です。
- 自社に必要な機能が揃っているツールを選ぶ
- 汎用性のあるツールかどうかを確認する
- 実際に利用する人が選定に加わる
それでは、それぞれを解説していきます。
自社に必要な機能が揃っているツールを選ぶ
まずは、必要な機能がそろっているツールを選びましょう。BIツールには大きく4つの機能があり、製品によって強みが異なります。
例えば分析したデータをわかりやすく可視化したいのであれば「レポーティング」、マーケティングのための指標が必要であれば「OLAP分析」や「データマイニング」に強い製品といったように、何をしたいかで選ぶツールが変わってきます。
また、製品によってはBIツールの機能が多いほど操作が複雑になるものもあります。必要な機能がそろっていて、自社が使いやすいツールを選ぶようにしましょう。
汎用性のあるツールかどうかを確認する
2つ目のポイントは汎用性があるかどうかです。BIツールは社内の既存システムに蓄積されたデータを分析するものです。そのため、システム同士上手く連携ができるかどうかが重要ポイントになります。
選定対象となっているBIツールが、既に社内に導入されている他システムと連携できるかどうか、汎用性があるか確認しましょう。
実際に利用する人が選定に加わる
BIツールに限らず、社内への導入が失敗するケースとして、そのツールで実務をしない人が選定してしまい、結果的に現場の実務では逆に手間が増えるということがあります。
さらに、「BIツールを導入してどんな分析をして業務にどう活かしたい」といった目的が曖昧になってしまうことも導入の失敗につながります。
BIツールを活用するためには、実際に実務をするメンバーを加え、どういったデータを分析してどう活かすかという目的を意識しながら選定することが大切です。
BIツールの気になる費用面

BIツールの費用は製品によって大きく異なり、月数万円~数百万円までかなり幅広いと言えます。
提供形態やライセンス体系によっても違いますし、初期費用、月額費用、データ転送課金など、製品によって費用がかかる項目も変わってきます。
まとめ

本記事では、BIツールについて概要から選定のポイントまで幅広くご紹介しました。
BIツールは企業活動によって日々蓄積されていくデータを収集・分析し、戦略的な意思決定を支援するツールです。
社内に分散する様々なデータと簡単に連携できるため、これまでは専門家がいないと難しかったようなクロス分析等、多角的な分析が簡単に行えるようになります。
BIツールは高度な機能が多く、自社にあったものを導入しないと失敗に終わる可能性が高くなります。そのため、実際に使う方の意見を取り入れながら選定するとよいでしょう。
「誰がどんなデータを分析して活用するか」という目的をしっかり持って選定することで、BIツールの導入効果を最大限に引き出せます。
自社にあったツールを選定し、スピードある意思決定に役立ててください。
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