【Yellowfin導入事例】 富士通テン株式会社

BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールと分析ソフトウェアのグローバルベンダーであるYellowfin Japan株式会社(本社:東京都中央区、以下Yellowfin Japan)は、自動車向けのインフォテイメント機器、電子制御機器、衝突安全・予防安全機器、テレマティクス機器などの製造、販売事業を展開する富士通テン株式会社様(本社:神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号、以下富士通テン)への導入事例を発表いたします。

<概要>
カーナビゲーションをはじめとするインフォテインメント機器、電子制御機器、衝突安全・予防安全機器、テレマティクス機器の製造、販売を手掛けているカーエレクトロニクスメーカー、富士通テン。同社の生産現場では製造装置から出力される様々なデータを、データベースに蓄積されていますが、そのデータを活用した業務改善がうまく進んでいませんでした。
しかしYellowfinのBIツールを導入したことにより、装置から出力される様々なデータをリアルタイムで可視化し、現場の社員がモニタリングすることが可能になりました。装置ごとに閾値を設定することで、不具合の発生を未然に見つけ出すことはもちろん、品質改善、生産性向上に貢献しています。

<システム導入時の要望>
■各製造装置のパフォーマンスを最大限発揮させたい
今、製造業界で注目を集めている「インダストリー4.0」。元々はドイツ政府が推進している製造業のさらなる高度化を目指すプロジェクトですが、ITを使ってモノ作りを変えるというこの動きが日本の製造業でも巻き起こっています。富士通テンもその一社。同社では国内に製造拠点(富士通テンマニュファクチュアリング株式会社)2カ所、海外に8カ所設置し、カーエレクトロニクス製品の製造を行っています。
生産の現場では様々な製造装置が導入され、モノ作りが行われています。そして各製造装置からは日々の製造に関わる様々なデータが出力されています。
「各工場ではトレーサビリティの確保に加え、生産性および品質向上に役立てるため、それらの膨大なデータを蓄積する仕組みを構築していました」と生産本部 ものづくりIT推進室長の岩本雅美氏は語ります。しかし蓄積した膨大なデータを簡単に見る手段の検討が必要でした。「一つの製品は何台もの実装機を連結したラインの中で組み上がっていきます。そのラインをつくるために、非常に大きな投資が行われる。したがって、生産拠点ではいかにそのラインを効率よく動かすかが、最重要課題なのです。ではどうすれば各製造装置が最大のパフォーマンスを発揮できるようになるのか。そのためには、どの装置でどんなロスをしているのか、把握する必要があります。このように現場では各製造装置から出力されるデータを分析し、改善に生かせる手段を求めていました」(岩本氏)

<YellowfinのBIツール導入の決め手>
■アラート機能があり簡単に扱えること、サポートの良さが決め手に
そこで岩本氏はBIツールの導入を検討することにしました。「当初、頭に浮かんだのは、本社に導入していたRDBMSのBIツールでした」と岩本氏は明かします。しかし活用するにはITスキルが必要なため、生産現場が見たいデータを提供するには、IT推進室側でかなり作り込まないといけないことがわかりました。ものづくりIT推進室のメインのミッションは、生産システムの企画・構築・運用です。つまり現場から「こんなデータが見たい」と言われて、その仕組みを作ることにそれほど時間を割くことができないのです。そこでもっと簡単にデータを見られる仕組みを探すことにしたと岩本氏は語ります。
簡単に扱えそうなBIツールベンダーに片っ端から連絡し、説明に来てもらったという岩本氏。「説明を聞き、5つの製品が候補として残りました。そのうち3つは私たちが求めていたアラート機能が標準で搭載されていなかったのです。そこで最終的な候補を2つに絞り、そのうちの一つがYellowfinでした」と岩本氏は製品選択の理由を明かします。さらにその2製品を比較検討し、Yellowfinに決めたのは「例えば『こんなことできませんか』と尋ねると、Yellowfinはその日のうちに回答をくれました。Yellowfinのそのサポートの良さが決め手となりました」と岩本氏。実際にシステム構築を担当したものづくりIT推進室の東中俊幸氏も「実は機能としてはそう変わりはありませんでした。対応の早さ以外の決め手としては、SQL文などを知らなくても、基本的な分析が簡単にできること。これなら生産現場の人たち自身が欲しいデータを取れる仕組みができると思いました」と語ります。
2013年12月末にYellowfinの購入を決定し、中津川工場(岐阜県中津川市)に導入。14年6月より各製造装置から出力されるデータをデータベースに格納し、Yellowfinでモニタリングを開始しました。

■異常の芽を未然に摘み取ることで生産性向上に貢献
Yellowfinを導入したことで、従来、課題だったことがどのように改善され、それによってどのような効果が得られたのでしょうか。東中氏は次の様に明かします。
[従来]:アンドン(生産ラインの異常を知らせるランプ)の点灯により、異常に気付き処置を行っていた。
[現在]:製造プロセスごとに閾値を設定し、Yellowfinでモニタリングし、その値が超えたときにアラートを担当者に送信。異常が発生する前に装置のメンテナンスを行っている。

<導入効果>
1.ラインの停止を未然に防ぐことができる。
2.異常の芽の一歩手前がわかることで、生産性の向上につながった。
3.組み付け装置では、リトライ回数がわかるので、設定ミスも防げるようになった。

■2018年には全工場を見える化し、情報を共有して改善につなげたい
その効果を受け、16年3月には海外の生産拠点にも導入したと言います。「この工場では約1カ月間でサービスインまでこぎつけました」と東中氏は話します。先のような使い方以外にも作業担当者が任された作業をきちんと終了したことを職長が閲覧できるようにしたり、部品の照合履歴や補充履歴を調べたりということを行っているそうです。
「今後も、生産拠点にYellowfinを導入していく予定です」と岩本氏。ただ海外拠点の場合、「コストがネックなんです。YellowfinはBIツールの中でも比較的廉価な製品ですが、それが海外だと人件費などがそもそも安い。」と、岩本氏は海外拠点ならではの導入障壁があると言います。それでも導入を進めるのは、情報を共有して改善につなげたいという思いがあるからです。

「各拠点に導入すればどんなメリットが得られるのか、それを示していきたいと思います。そのためにも、例えば直行率(真の歩留まり)やCpk(工程能力指数)、X-R管理などが管理画面から選択するだけで見られるよう、製造業向けテンプレートの提供をしてほしいですね」と岩本氏はYellowfinへ期待を込めて語りました。
「2018年までにはすべての工場内の見える化を実現したい。さらに物流部門とも連携して物流の見える化にも取り組みたいですね」と岩本氏は意気込みます。
Yellowfinと出合ったことで、インダストリー4.0に向けた富士通テンの取り組みはさらに加速しそうです。
“生産拠点ではいかにそのラインを効率よく動かすかが、最重要課題です。そのためには各製造装置が最大のパフォーマンスを発揮できるようにしなければなりません。だからこそどの装置でどんなロスをしているのか、見える化する必要があるのです。”

【富士通テン株式会社】
神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号
1949年神戸工業として設立。68年に富士通と合併し、ラジオ部門が富士通 神戸工業部の所属となる。72年に富士通からラジオ部門が分離・独立、富士通テンを設立し操業開始。73年にはトヨタ自動車工業、日本電装の資本参加を得て、自動車向けのインフォテインメント機器、電子制御機器、衝突安全・予防安全機器、テレマティクス機器などの製造、販売事業を展開。富士通テンの「テン」は、最高・至上を意味する「天」のこと。中国の古典「中庸」の一節「誠は天の道なり。これを誠にするは人の道なり。」とあるように、同社では企業経営の基本理念である「誠」を常に大切にし、お客様・社会に貢献できるよう、製品・サービスを提供している。

富士通テン株式会社
生産本部 ものづくりIT推進室長 岩本雅美氏